2012年10月21日日曜日

アズキハタの鍋

アズキハタの鍋。

鍋ほど簡単にできる料理はない。獲った魚の鱗を取り、はらわたを取り、ぶつ切りにして鍋に放り込むだけで良く、3枚に卸す必要すらないのだから、男の一人暮らし者には丁度良い。汁のダシは昆布のみでとる。水の時に、昆布を一枚、いれておく。昆布を入れたまま沸かすのが一般的だが、それだと生臭くなる。水が少し色づけば十分である。

沸かす前に30分程浸した昆布を取り出し、沸いてから魚と、長ネギ、しめじ、豆腐やしらたきなどの野菜を放り込む。水から魚を入れると身が硬くなっていけない。ものの5分で煮上がるから、煮すぎる前に火を止め、椀にポン酢と生姜を入れ、鍋の煮汁で薄めた中に具を入れてこれを喰う。

準備を始めてから、喰うまでに20分はかからない。あまりにあっけなくできるので、物足りなくなって、余計に煮たくなる気持ちは分からないではない。しかし、煮すぎて身は固くなり、野菜の栄養は熱によって失われる。手間をかければうまくなるという幻想は捨て、潔く、短い時間、煮るのが良い。

良い具合に煮えたアズキは実にふわふわしたやわらかい身で、絶品と言える。半身を刺身にしたが、鍋がよかった。全て鍋で喰うべきだったと後悔した。

鍋は、捨てるところ少なく、食べ物の栄養を最も効率良く採ることができる。特にスープにその栄養が最も集まるが故にこのスープを捨てるのは愚の骨頂である。残ったスープは最後に米をいれて、卵でとじて、おじやで喰う。これがうまいし、最も栄養がある。

しかし、いくら栄養があるからと言って、翌日の朝に持ち越すのは頂けない。魚の類はいたみが速く、夜をまたげばほぼ腐りかけている。そんなものを喰っては、せっかく取った栄養を回復の為に使うことになり、本末転倒、元も子もなくなる。見極めができないといけない。



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